説明
クジラが死んだらどうなる?ーー深海という厳しい世界に生きるユニークな生きものたちの、いっときの大宴会を描いた物語絵本 深海はえさが少なく、生きものが少ない場所です。ところが、ごくまれに巨大な食べ物のかたまりが降ってくる。それが命を終えたクジラです。 クジラの体は、長ければ100年にもわたってさまざまな生物の命を支え続けます。 はじめはサメ、コンゴウアナゴなどが肉を食べ、タカアシガニやグソクムシなど小さな生物が続きます。骨だけになると、こんどはホネクイハナムシという骨を食べる生物があらわれ、その後も長期間にわたりクジラは分解されていきます。 このクジラの死骸を中心に形成される特殊な生態系は「鯨骨生物群集」と呼ばれ、近年の研究でその実態が明らかになってきました。 50~100年というのは、とほうもなく長い時間ですが、必ずどこかで終わりは来ます。 鯨骨に生きる生き物たちは、やがて別のすみかと食べ物を探さなくてはいけない。こんなに広い海で、そうつごうよく、沈んだ大きなクジラに出会えるものでしょうか? しかし、まっくらな宇宙にも星があるように、深い海の底からあてどない旅に出かける生物たちにも、どこかに必ず明かりがあるのです。でなかったら、クジラに集う生きものたちがずっと子孫を残し、命をつなぎ続けることはできなかったはずです。 これは深海という厳しい世界に生きる生物たちの、いっときの大宴会を描いた物語絵本です。 監修は国立研究開発法人海洋研究開発機構の藤原義弘氏。
発行 / 童心社
著者 / 江口絵理 (著), かわさきしゅんいち (イラスト), 藤原義弘 (監修)
発行日 / 2024/9/1
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